ILMT の代わりに FlexNet Manager Suite を使用する
この FlexNet Manager Suite リリースでは、ILMT (またはその他の IBM ツール) の代わりに、サブキャパシティ ライセンスの計算で FlexNet Manager Suite の使用を許可する IBM からのライセンス バリエーション (「PVU モード」と呼びます) を所有する場合、IBM PVU ライセンス管理機能が大幅に強化されています。(このグループに該当せず、IBM PVU ライセンスを全く使用しない、またはこれを使用するが、ILMT からインポートされた結果に依存する場合、これらの変更による影響はないため、このトピックは無視しても構いません。)
- アップグレードと次の完全なコンプライアンス計算との間の短い時間内に、IBM PVU ライセンスの結果 (およびそのコンプライアンス ステータス) が使用されることはありません。古い計算から新しい計算への変更、および毎晩行なわれる再評価は次の照合で完了します (下で説明されています)。
- ビジネス インポーターでデータをインポートするカスタム ビジネス アダプターを作成した場合、IBM PVU ライセンスの
PeakConsumed
プロパティを参照する任意のアダプター、影響を受ける各ビジネス アダプターは、再実行する前に再開発する必要があります。ピーク時の計算に変更が行われているため、そのプロパティを今後使用することはできません (下を参照)。 - 正しく消費を計算するためには、エンタープライズ グループの場所を 3 つの必須 IBM リージョン内に登録し、PVU ポイントを消費する各デバイスがアプリケーションの場所によって「所有」されている必要があります。ヒント: ここで言及されている「正しい消費」とは、3 つの必須 IBM リージョン内に表示される消費を意味します。同時に、これらの準備が完了するまで、残りの未割当の消費は 4 つめの「リージョン不明」と表示され、ピーク時消費の計算結果も IBM 用にアーカイブするすべてのレポートに含まれます。結果が元に戻らないため、将来の監査に向けてアーカイブされたレポートの構造や詳細を強化することができます。
- また次に説明されている通り、今回より、各製品 (またはバンドル) ごとに単一の IBM PVU ライセンスがあることが大変重要です。つまり、たとえば以前各リージョンごとに個別のライセンスを作成している場合、ライセンスの結合処理が必要な場合があります (これらは強化を行う準備ができるまで機能し続けます)。最後に、IBM PVU ライセンス プロパティ シートの外観が変わりました。
- 今回より、ピーク時の消費数を個別に計算する必要がある、IBM 定義による 3 つのリージョン (北米、ヨーロッパ/アフリカ、およびアジア太平洋)のビルトイン サポートが追加されました。エンタープライズ グループの 場所 タイプは IBM リージョンの 1 つにマップされ、通常通り、場所を使って IBM PVU に含まれるソフトウェア ライセンスを実行する各インベントリ デバイスの [所有者] をマークすることができます。その後、デバイスは割り当てられたリージョンに個別に計算されるピーク時の消費にのみ考慮されます。また、レポートには IBM リージョンにまだリンクされていないライセンスから消費を行う任意のデバイスも個別の結果として表示されます。
- 今回より、IBM へのレポート頻度を設定することができます (たとえば、7 月 1 日から 90 日ごと)、また FlexNet Manager Suite はレポート周期と一致するようにレポート期間を自動的にロールオーバーします。もちろん改訂された IBM PVU ライセンスの消費 レポート も必要に応じて、前の期間のレポートを行う場合など、レポート期間を調整することができます。レポート期間の最中に FlexNet インベントリに切り替える場合には、”以前を無視する”設定も別に用意されており、切り替え当日までは ILMT レポートを使用し、その後は FlexNet の結果を使用することができます。(どちらか 1 つを使用し、両方のツールを同時に使用することはできません。)
- ピーク時の値を単なるハイウォーター マークとして記録 (およびピーク時の結果を手動でオーバーライド) する時代は終わりました 。また、個別の IBM PVU 照合によって 30 分おきにそのハイウォーター マークを更新する必要もなくなりました。ハードウェアおよび仮想化の変更は、今まで通り IBM が要求する 30 分おきのスケジュールで検出され、インベントリに保存されます。本リリースより、毎晩行われるフル コンプライアンス計算は、レポート期間の最初まで遡って新しい変更を適用し、その期間におけるリージョンごとのピーク時の値を再計算します。つまり、すべての設定が常に正しかったかのように、適切な訂正を適用してレポート期間全体を再計算することが可能です。以前に遡って行う変更には (その他の変更と共に)次が含まれます:
- 適切な場所にデバイスを割り当てて、正しい IBM リージョンにリンクする。または場所を適切な IBM リージョンにリンクします。これによって多くのインベントリ デバイスに影響が出る場合があります (子の場所は、その親の場所のリージョン設定を継承しますが、必要に応じて任意のリージョン値を上書きできます)。
- デバイスのハードウェア インベントリを訂正する (たとえば、レポートされるコアの数を上書きします)。
- ライセンスのロパティにある [消費] タブを使って、インベントリ デバイスの現在の消費数を上書きします (ライセンスにその理由をメモとして添付することが推奨されます)。
- FlexNet インベントリ エージェントをデバイスに添付して、特定の期間中を通して でサブキャパシティの計算対象とします (もちろん、FlexNet インベントリの始まりから履歴を蓄積し始めるだけで、期間中の以前のフル キャパシティ値は無視されます)。
- デバイス ロールを対象外とする、またはライセンスのプロパティにある [消費] タブで直接デバイスを対象外に設定して、テストなどの目的にのみに使用されるデバイスの除外を記録します。
- ライセンスを特定のインベントリ デバイスに割り振ります。
- ライセンス使用権、ポイント テーブル、またはその他の関連設定に対する任意の変更。
- ライセンスにリンクされている多くの特定の製品に追加された変更 (たとえば、ソフトウェア バンドルを反映させて、単一製品ライセンスから複数製品ライセンスへの変更)。
- コンプライアンスの計算で履歴情報が必要であるということは、同時に廃用となったインベントリ デバイスの履歴を保存することも必要になります。新しい [アーカイブ済み] ステータスは、FlexNet Manager Suite でデバイスが削除されたのと同様に、その他のライセンス管理の一部ではないことを意味しますが、その履歴情報はアーカイブ以前の期間を含み過去に遡った PVU の計算で引き続き使用することができます。また、新しい [アーカイブ済みインベントリ] ビューを使って、これらすべてのデバイスを確認することができます。デバイスのアーカイブには 3 つの方法があります:
- PVU モードの場合、既に履歴データを持つデバイスはすべてのインベントリ ソースから非表示とされるため、今回より通常の自動データ クリーンアップの際、そのデバイスは削除ではなくアーカイブされます。
- 同様に、一連のデバイスのインポートされたインベントリの最新ソースであるインベントリ接続を削除すると、資産レコードにリンクされているすべてのデバイスは [インベントリの待機] 状態になります。資産レコードまたは IBM PVU ライセンスにリンクされていない一般的なデバイスは削除されますが、IBM PVU ライセンスにiリンクされている特殊な非資産デバイスはアーカイブされます。
- オペレーターは、検出されたデバイスまたはインベントリ デバイスのどちらかにリストされているデバイスを選択して [削除] をクリックすることができます。通常のデバイスは削除されますが、古い PVU データはアーカイブされます。
- すべてのリージョン結果を表示する場合、IBM PVU ライセンスの [コンプライアンス] タブは、それぞれの状況に合わせて柔軟にカスタマイズ可能な新しい外観に変更されています。
- サブキャパシティの計算に FlexNet インベントリを使用しない場合、その他のライセンス コンプライアンスの概要とほとんど変わりません。
- FlexNet Manager Suite が PVU モードで完全なライセンスの照合を完了すると、3 つのリージョンの消費ピーク、およびそのピークが発生した個別の日付けが表示されます。
- IBM リージョンに未割当てのデバイスがある場合、デフォルトのレポートとして、およびリージョンごとの結果に対するエラー バーの位置の両方に、そのセットに対する個別のサブキャパシティ結果が表示されます (余分な消費済みで未割当のポイントは、本来 IBM リージョンのどれかに所属するべきものです)。
- また、(通常、FlexNet インベントリ エージェントがインストールされていないために) サブキャパシティ計算の対象ではないライセンスに含まれるインベントリ デバイスがある場合、3 つのリージョンに追加のフルキャパシティ結果、および (存在する場合)別の行に未割当のフルキャパシティ デバイスが表示されます。
- 最後に、すべての使用可能な行の合計が、予想される消費済み PVU ポイントとして表示されます。これまで通り、同じタブにはライセンス エンタイトルメントの記録済み購入の世界全域合計が、正味超過数または不足数と共に表示されます。
- 比較を目的として、現在の消費 (最後に行われた照合時点) の概要が各リージョン/グループ毎に表示されます。ここで、一行ごとにピーク消費時に対する現在の数量を比較することができます。([消費] タブで、このライセンスに添付されている各デバイスから現在の消費を確認することができます。)
ヒント: サブキャパシティのピーク消費数と現在の消費数の両方について、今回よりオペレーターのデータ アクセス権に基づいたスコープが指定されています。例えば、オペレーターが特定の場所のみのデータを参照できるアクセス許可を持つ場合、同じピーク消費日を参照できますが、各消費日については、同じアクセスが許可されている場所で所有されているインベントリ デバイスからのピーク消費数のみが表示されます。(もちろん、オペレーターが適切な場所からのデータに対するアクセス許可を持ち合わせていない場合、別のリージョンでこれらの数量がゼロの場合もあります。) - IBM PVU ライセンスの [消費] タブにも新しい機能が追加されています:
- 列選択ツールで新しい列を消費中のデバイス一覧に追加して、各デバイスの IBM リージョン、デバイスのステータス、およびサブキャパシティの対象を表示することができます。
- ライセンス エンタイトルメントの割り振り先となるインベントリ デバイスの検索では、今回よりアーカイブ済みのデバイスを表示します (以前の割り振りを訂正する必要がある場合に使用します)。
- 以前ライセンスに添付されていたアーカイブ済みデバイスは、消費中のデバイス一覧に引き続き表示されますが、このタブには現在の消費数が表示されるため、予測どおりアーカイブ済みデバイスの現在の消費数は常に 0 ポイントと表示されます。
- IBM PVU ライセンスの消費レポートも改良されました。IBM が参照する標準レポートをアーカイブする他に、今回より独自の調査向けにレポートをカスタマイズすることができます:
- 任意のレポート期間
- 個別のライセンスをフィルター
- IBM 定義の各リージョンについての詳細を確認
- サブキャパシティの計算対象となるデバイス、およびフルキャパシティで計算する必要があるデバイスの両方の数量を確認する (つまり、ILMT のみの時代に提出する必要があった、フルキャパシティ デバイスの個別のスプレッドシートが不要です。)
- ピーク時の値にカウントされるゲスト VM だけでなく、そのホストも識別し、さらにこれらのデバイス上の PVU ライセンス付与済みソフトウェアも識別します。
- ホスト上の VM によって消費されるポイントの計算の上限を定める各ホストのフルキャパシティを理解する
3 つの必須 IBM リージョンに消費の計算を分けるため、各製品 (またはバンドル) ごとに IBM PVU ライセンスを 1 つだけ割り当てることがベストプラクティスです。これによって、各リージョンごとにピーク時の正しい計算が行われ、必要な加算処理を使って最終消費数が算出されます。知っておきたい PVU 専門知識の 1 つとして、照合処理において、未使用のエンタイトルメントの使用可能な数は、同じ製品に対する複数の IBM PVU ライセンスの中から 1 つのライセンスの選択を優先する要因ではなくなりました。これは 1 製品セットごとに PVU ライセンスを 1 つだけ割り当てることがベスト プラクティスであるもう一つの理由です。同じ製品に複数の PVU ライセンスを使用する大きな理由がある場合、たとえば組織の吸収合併のために IBM から個別の請求書がある場合、ライセンスの [制限] または各ライセンスを適切に範囲限定する割り振りをうまく利用してください。
- IBM PVU ライセンスに割り当てられているデバイスのステータスが [無視] であり
- それにも関わらず、これらの無視されたデバイスを PVU ライセンスに割り振った場合
- 割り振りは通常のデバイスのライセンス消費を強制します (ライセンスの [消費] タブで [パーマネント] 割り振りを選択しているため、または関連ライセンスの [使用権 & 規則] タブで 割り振りは、ライセンス エンタイトルメントを消費する を設定しているため)
追加情報
- 変更された前提条件
- 構成
- サブキャパシティの計算でデバイスの対象/非対象規則における変更
- コンプライアンス データベースのデータには、初年度のデータ要件は 30 GB で (以前のリリースから 25 GB の増加)、後続の年に大幅な増加は予測されません。
- コンプライアンス データベースの ログには、10,000 デバイスごとに 25 GB が必要です (以前のリリースから 25 GB の増加)。
- [IBM PVU ライセンスのための高頻度ハードウェア スキャンを有効化する] チェック ボックス ( を開いてから下にスクロールして [IBM PVU スキャン] セクション) を設定します。これは FlexNet インベントリの使用を許可する、IBM によって付与される改訂された International Passport Advantage Agreement を反映する基本の設定です。この改訂済み合意書によると、ハードウェアの詳細は 30 分おきにチェックする必要があります。ただし、FlexNet インベントリ エージェントは最終チェック時から変更が行なわれている場合のみ、ハードウェア インベントリ ファイルを アップロードします。このチェックボックスを選択すると、新しい外観の [コンプライアンス] タブが開きますが、これらの新しいフィールド内に任意のデータを表示するには、フルコンプライアンスの計算が必要です。
- ライセンスのプロパティにある [使用権 & 規則] タブの [仮想マシンとホスト上の使用権] セクションで、[サブキャパシティー ライセンスの対象] を選択します。サブキャパシティの計算を行なえるように、各 IBM PVU ライセンスは個別に構成する必要があります。(FlexNet インベントリに基づくか、ILMT からインポートされた結果によるかどうかは関係ありません)
- 通常通り、最後に言及された設定で [次のソース以外のサブキャパシティ ライセンスを許可する...] チェックボックスが有効になります。(チェックボックスのラベルは、ILMT または FlexNet Manager Suite のどちらが現在サブキャパシティの計算に使用されているかどうかによって異なります)。カスタマが FlexNet インベントリ エージェントまたは ILMT 以外のツールを使ってサブキャパシティの計算を行うための、非常に異例な許可を IBM から受理している場合を除き、このチェックボックスはクリアの状態にします。クリアされている場合 (ほぼ常にクリアの状態です)、この設定がフルキャパシティで「非対象」コンピューターのカウントを強制します。設定が行われた場合、ライセンスの [コンプライアンス] タブで別のインベントリソースからのインベントリデバイスがサブキャパシティの結果に含まれ、フルキャパシティ セクションはピーク時および現在の消費数で非表示となります。ライセンスのプロパティにある [ドキュメント] タブに添付可能な IBM からの書面による許可がない限り、基本的に設定しないでください。
- [システム設定] ページの [ライセンス] タブにある [IBM PVU サブキャパシティ計算の設定] セクションを使って、レポート期間とデータの保持期間を構成することができます。
これらの設定が行われている場合、改訂された IBM 同意書の要件に従い、サブキャパシティの計算の対象とするためには、各デバイスを現在ローカルにインストールされている FlexNet インベントリ エージェントから FlexNet インベントリに戻す必要があります。スタンドアロン デバイスが別のソースからのインベントリにのみ存在する場合、サブキャパシティ消費の対象ではなく、通常フルキャパシティの 1 つとして含まれます。重要な新しい状況として、単一のホスト上にある複数の VM がすべて IBM PVU ライセンスに割り当てられていて、その中の任意の VM がローカルにインストールされた FlexNet インベントリ エージェントを持たないため対象ではない場合、同じホスト (およびライセンス) 上のすべてのピア VM も非対象となります。ホストそのものが独立して同じライセンスから消費している場合に発生した場合、これも非対象となり、フルキャパシティで計算されます。まとめると、同じホスト上にある 1 つ以上の VM で FlexNet インベントリ エージェントが不足していると、ホストおよびそのすべてのゲスト システムがサブキャパシティの計算の対象外となるため、各 IBM PVU ライセンス内で、すべての VM に対してローカルでインストールされた FlexNet インベントリ エージェントが確実に存在するようにしてください。
FlexNet Manager Suite(オンプレミス)
2024 R2